【ワンポイントレッスン】~在職定時改定~

《問題》※〇か✕で答えてください 【厚生年金保険法】

65歳以上の老齢厚生年金受給権者については、毎年基準日である7月1日において被保険者である場合、基準日の属する月前の被保険者であった期間をその計算の基礎として、基準日の属する月の翌月から、年金の額を改定する在職定時改定が導入された。

《解答》

 

本肢の「7月1日」は、正しくは「9月1日」である。

《解説》

「在職定時改定」についての問題です。

在職定時改定とは?

在職定時改定とは、65歳に達して老齢厚生年金の受給権者となった後も、被保険者として働き続けている場合に、毎年年金額が改定(増額)される仕組みです。


年金額が改定されるタイミング

在職定時改定には、次のようなスケジュールがあります。

  • 基準日:毎年9月1日
    → この時点で被保険者として働いていれば対象

  • 改定後の年金額の反映:10月分から

つまり、毎年9月1日時点で在職していれば、10月から年金額が上がるという仕組みです。

日本は現在、少子高齢化により働き手不足が進行し、年金財源を圧迫しています。

そのため、

「65歳過ぎて年金がもらえるようになっても被保険者であれば毎年年金額が上がりますので、どうか仕事を続けて被保険者でいてください」

という強い思いが、この制度には込められています。


誰が対象になるのか?

在職定時改定の対象となるのは、**「65歳に達している方」**に限られます。

そのため、

  • 特別支給の老齢厚生年金を受給している方

  • 65歳未満の在職者

これらの方は、在職定時改定の対象外です。


なぜ65歳以上だけが対象なのか?

ここで、こう思うかもしれません。

「長く働いてほしいなら、60代前半の人にも適用すればいいのでは?」

たしかにそのとおりです。
ただし、65歳未満の方については、すでに別の制度で対応されています。

それが、高年齢者雇用安定法に定める**「雇用確保措置」**です。

(「労働一般常識」でおなじみの論点ですね。覚えていますか?笑)


雇用確保措置の内容(65歳未満)

65歳未満の定年を定めている事業主には、次のいずれかの措置が義務付けられています。

  1. 定年の引上げ

  2. 継続雇用制度の導入

  3. 定年の定めの廃止

これにより、65歳までの雇用確保が制度的に担保されています。

一方で、65歳以上の「就業確保措置」は努力義務にとどまっています。


だからこそ在職定時改定がある

65歳以上については雇用が義務ではないため、

厚生年金保険法で「在職定時改定」という制度を設け、「年金が増えるよ!」というインセンティブを用意して、働く意欲を後押ししているわけです。


科目横断で理解する大切さ

このように、社労士試験の10科目はバラバラに見えて、実は社会全体の仕組みとして密接にリンクしています。

  • 厚生年金法: 在職定時改定で働くメリットを作る

  • 労一(高年齢者雇用安定法): 働く場所を確保する

単なる暗記ではなく、こうした「制度の目的」を知った上で復習すると、記憶の定着率がグッと上がります。

「この規定、あの科目のあの話と繋がっているかも?」 そんな視点を持つと、試験勉強が少しだけ面白くなってきますよ。これからも、皆さんの「点と点が線でつながる」手助けができる記事をお届けしていきます! (^^)

 


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