【ワンポイントレッスン】~離婚時の合意分割~

 《問題》※〇か✕で答えてください 【厚生年金保険法】

離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、両当事者がともに当該事情にあると認めている場合には、いわゆる合意分割の請求ができる。

《解答》

 

本問の場合は、3号分割の請求ができる場合として定められている。

《解説》

離婚時の厚生年金分割制度|合意分割と3号分割の違い

離婚時に適用される厚生年金の分割制度には、次の2つがあります。

  • 合意分割

  • 3号分割

今回の設問で問われているのは、このうち「合意分割」です。

年金分割制度の共通の趣旨

この2つの制度は、いずれも
離婚によって生じる将来の年金額の格差を是正することを目的としています。

例えば、

  • 夫:会社員として長年勤務

  • 妻:専業主婦(国民年金第3号被保険者)

というケースでは、夫は標準報酬額が高く、将来の年金額も多くなります。一方、妻は厚生年金に加入していないため、年金額が少なくなってしまいます。

そこで、婚姻期間中の標準報酬額を夫婦で分け合うのが、年金分割制度です。

このように、合意分割と3号分割は制度の大枠の考え方は同じです。

試験で差がつくポイントは「離婚」の定義

ただし、細かい規定には違いがあり、そこが試験で狙われます

制度開始年などの数字は比較的覚えやすく、多くの受験生が押さえていますので、ここでは割愛します。

今回特に押さえておきたいのは、
「離婚」とは何を指すのかという点です。

どちらの制度も「離婚した夫婦」が対象ですが、
その「離婚」の範囲が異なります。

この部分が曖昧なままの受験生は多く、理解できれば一歩リードできます。
(私自身も直前期までかなり曖昧でした)

各制度における「離婚」の定義

それでは、両制度における「離婚」の範囲を整理します。

■ 合意分割

次のいずれかに該当する場合です。

  • 離婚

  • 婚姻の取消

  • 事実上の婚姻関係の解消
     ※一方が国民年金第3号被保険者と認定されていた場合に限る

■ 3号分割

次のいずれかに該当する場合です。

  • 離婚

  • 婚姻の取消

  • 事実上の婚姻関係の解消

  • 離婚の届出はしていないが、事実上離婚したのと同様の事情にあると認められる場合

最大の違いは「離婚届がなくても対象になるか」

両者は非常によく似ていますが、
3号分割にのみ認められているケースがあります。

例えば、

  • 特定被保険者が行方不明となり、3年が経過した場合

など、事実上離婚と同様の状態にあると認められれば
離婚届を提出していなくても「3号分割」の対象になります。

一方で、合意分割は違います。

離婚届を提出していない場合、
合意分割の対象にはなりません。

今回の設問のように、ここを混同させるひっかけ問題が試験では頻出です。

試験対策の結論(ここだけ覚える)

最後に、試験対策として超シンプルに整理します。

  • 合意分割 → 離婚届は必要

  • 3号分割 → 離婚届は必ずしも必要ではない

このイメージをしっかり持っておけば、
この論点で他の受験生と大きく差をつけられます。

 


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