【ワンポイントレッスン】~経過的寡婦加算~
《問題》※〇か✕で答えてください 【厚生年金保険法】
昭和32年4月1日生まれの妻は、遺族厚生年金の受給権者であり、中高齢寡婦加算が加算されている。当該妻が65歳に達したときは、中高齢寡婦加算は加算されなくなるが、経過的寡婦加算の額が加算される。
《解答》
✕
経過的寡婦加算は、「昭和31年4月1日以前」に生まれた65歳以上の妻に対して行われる。
《解説》
今回も、前回に引き続き**「紛らわしい用語シリーズ」**です。
テーマは、
厚生年金保険法の「経過的加算額」と「経過的寡婦加算」。
どちらにも「経過的」という言葉が入っているため、
受験生にとっては混同しやすい論点です。
この2つを確実に区別して覚えるためには、
ここでもやはり暗記の順番が重要になります。
まず押さえるべき最重要ポイント
この2つを区別するうえで、最も重要なのは次の視点です。
「何と何の差を埋めるための制度なのか?」
ここを押さえるだけで、理解が一気に楽になります。
経過的加算額とは?
埋める差は何か?
-
特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額
-
老齢基礎年金の額
この2つの差を埋めるための制度が、経過的加算額です。
経過的寡婦加算とは?
埋める差は何か?
-
中高齢寡婦加算の額
-
老齢基礎年金の額
この差を埋めるための制度が、経過的寡婦加算です。
共通する考え方
どちらの制度も共通しているのは、
-
65歳になると老齢基礎年金が支給される
-
それまで受けていた給付がストップする
-
その結果、年金額に差が生じる
この「生じた差額」を補填するために設けられた制度だ、
という点です。

試験での瞬時の判断につながる
この整理を先にしておくと、試験本番で次のように判断できます。
-
**「経過的加算額」**ときたら
→ 老齢厚生年金の論点 -
**「経過的寡婦加算」**ときたら
→ 遺族厚生年金の論点
まず大枠を瞬時に判断できるため、
その後に細かい要件を思い出しやすくなります。
詳細規定は「後回し」でOK
例えば、
「昭和31年4月1日以前生まれ」
のような細かい部分は、後から覚えれば十分です。
重要なのは、どの論点についての問題なのか?を素早く正確に判断することです。
ちなみに、なぜ昭和31年4月1日以前生まれなのか?
理由は次のとおりです。
-
中高齢寡婦加算の額は
遺族基礎年金(780,900円×改定率)の4分の3 -
昭和31年4月1日以前生まれの人(昭和61年4月1日の年金大改正時点ですでに30歳以上だった人)がもらう老齢基礎年金の額は
老齢基礎年金の満額(780,900円×改定率)の4分の3以下
そのため65歳を境にもらえる金額が減ってしまわないよう差額を補う必要があった、というわけです。
最後は語呂で一気に定着
理解したうえで、あとは語呂合わせでサクッと定着させましょう。
昭和31年4月1日
→「さ・み・し・い」経過的寡婦加算
※出典:大原・金沢先生

まとめ
「経過的加算額」と「経過的寡婦加算」は、次の順番で暗記するのが効果的です。
-
何と何の差を埋める制度なのか?
-
それぞれの細かい要件
この順番を意識するだけで、
紛らわしい論点でも確実に整理できるようになります。
一緒に「暗記地獄」を攻略していきましょう!(笑)

