【ワンポイントレッスン】~支給繰下げ~

《問題》※〇か✕で答えてください 【厚生年金保険法】

老齢厚生年金の支給利下げの申出をした者に支給する繰下げ加算額は、老齢厚生年金の受給権を取得した日の属する月までの被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の額と在職老齢年金の仕組みによりその支給を停止するものとされた額を勘案して、政令で定める額とする。

《解答》

 

老齢厚生年金の支給利下げの申出をした者に支給する繰下げ加算額は、老齢厚生年金の受給権を取得した日の属する月「の前月」までの被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の額と在職老齢年金の仕組みによりその支給を停止するものとされた額を勘案して、政令で定める額とする。

《解説》

老齢厚生年金の支給の繰下げに関する問題です。

1. 繰下げ受給の基本ルール

老齢厚生年金の受給権を得た日から1年を経過する日までに請求を行わなかった場合、受給時期を遅らせる「繰下げ」の申出が可能です。

  • 支給開始時期: 申出があった日の属する月の翌月から。

  • メリット: 増額された年金が生涯にわたって支給されます。

2. 増額率の計算

増額される割合は、以下の数式で決まります。

増額率 = 7/1000 × 繰下げ月数

※月数は「受給権取得日の属する月」から「繰下げ申出日の属する月の前月」までで計算します。

3. ここが重要!「増額対象となる額」の計算

繰下げによって増額されるのは、単純な年金全額ではありません。以下の式で算出された額が増額のベースとなります。

【増額の基礎となる額】

報酬比例部分の額() × 平均支給率

※受給権取得日の前月までの被保険者期間を基礎として計算した額

ここで登場する「平均支給率」こそが、合格と不合格を分ける運命の分かれ道です。

4. 「平均支給率」とは何か?

一言でいえば、

「繰下げ待機期間中に、在職老齢年金制度によって支給停止(カット)されるはずだった分を除外するための係数」

です。

■なぜ必要なのか?

厚生年金には、働きながら年金を受け取ると額が削られる「在職老齢年金」という仕組みがあります。繰下げを待っている間であっても、「もし受給していたらカットされていたはずの分」については、増額の対象にはしてあげないというルールがあるためです。

「在職老齢年金の仕組みによる年金額カットを逃れるために支給繰下げを行おう!」

というのは許しませんよということです(^^)

■計算のイメージ:

待機期間中の各月において、「全額支給なら1」「半額支給なら0.5」「全額停止なら0」として計算し、その期間の平均を出します。

まとめ

「繰下げれば何でも0.7%ずつ増える」と覚えるだけでは不十分です。

「在職老齢年金による停止分(=平均支給率)を考慮した額に対して増額がかかる」

という仕組みを理解しているかどうかが、実務や試験での得点力を左右します。

 


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